つたえたい、
心の手紙
いまは会えないあの人に
「つたえたい、心の手紙」

この活動を通して
「つたえたい、心の手紙」は、書くことで心の整理をする機会となる一方、読者の方からも、今ある大切な人たちと過ごす時間に改めて喜びを感じることができるという声が寄せられています。
この活動を通じて、手紙がもっている、“手紙を書いた本人だけではなく読んだ方への癒す力”“家族や友人との絆を再確認し、前向きに生きる気持ちにさせてくれる力”を皆様に少しでもお伝えできればと思います。

編集長が選ぶ、
今週の珠玉の1通
惜しくも受賞は逃したものの、作者の方の想いが強く感じられる作品を「珠玉の1通」としてご紹介いたします。
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お母さん。
私はもう、26歳です。
お母さんがいなくなってから、もう11年が経とうとしています。
お母さんは、私の病気が治ったことを知りません。
私は、お母さんが癌と戦っているときに、お母さんを失う恐怖と寂しさから、精神的な病気になってしまい、それがお母さんの病気を進行させてしまったのではないかと、ずっと苦しみ続けていました。
あの時私は中学生でした。
どうしても、お母さんの病気が受け入れられなくて、ボールがなかなか見つからなかったと嘘をつき、家に帰るのが遅い日もありました。本当は、歩道橋の上にずっと立ち尽くして車の流れを眺めながら時間を潰していたんです。ごめんね。
でも、そんなときもお母さんは優しく笑って、おかえりって、そう言ってくれました。
幼い頃、夜中に目が覚めてしまって眠れないとき、ふと隣に寝ているお母さんの方を向くと私に気がついて、優しく笑ってくれました。
手術をした翌日も、辛そうな面もちでベッドに横になっていたのに、私が近寄って目が合うと、優しく微笑んでくれました。
お母さん。
今、私は病気が治りました。
中学校を卒業しても、お母さんとの時間は、暫く止まったままでしたが、やっと動き出したんです。
誰かを愛して愛されること。お母さんとお父さんがそうであったように。もう私は独りではありません。
やせ細っていた体も健康的になり、私はお母さんになりました。
子供が大好きなお母さんに、この子をたくさん抱っこして欲しかった。
お母さんが、嬉しそうに孫をだっこする姿が目に浮かぶと、正直言って辛いです。
でも、おばあちゃんがいない分は、私がたくさん愛してあげます。
今なら胸を張って、あなたに会える気がします。
もう、お母さんの病気から逃げるような私ではありません。
だって私はもう、お母さんだから。
お母さんのように、いつでも優しく微笑んでいられる、素敵なお母さんになるから、お母さんがくれたものをこの子にも与えたいから、私は前を向いて進みます。
ありがとう。お母さん。
「心の手紙」に
寄せられたご感想
応募者の方の声
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静岡県・50代・⼥性
応募をきっかけに、改めて⽗や⺟への想いを⾔葉にすることができました。
忙しさにかまけて、⾒ないふりをしてきたような気がします。こんな⾵に感じていたんだ、と⾃分の事ながら、読み返すことができたことが、今、⾃分への⽀えです。
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東京都・10代・⼥性
初めてこの公募を⾒かけて、「祖⽗に伝えたい」その気持ちでいっぱいになり書きました。書いている途中はあれこれ祖⽗との思い出がよみがえって、何度も涙が⽌まらなくなり書くのを中断しましたが、最後まで書き上げられてよかったです。祖⽗に届くように⼼から願っています。
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⼤阪府・60代・⼥性
今まで⼼残りで後悔していたことを⽂章にして、⾃分の⼼の整理をすることができました。
本⼈にはもう伝えることができませんが、今まで内に溜めていた気持ちを吐き出すことで、⼼が少し軽くなった気がします。 -
神奈川県・60代・男性
この作⽂を書くことで、家族を考える良い機会になりました。私のように感じられる⽅は多いと思います。とても良い企画と思いますので、これからもずっと続けていっていただきたいと願います。
読者の方の声
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富⼭県・60代・男性
⾝に染みるお話ばかりで涙が溢れてきました。⾃分の⾝の回りにいる⼈やお世話になった⽅を⼤事にし、⼈の痛みや悲しみを知り、思いを同じにすることでその⼈の気持ちをより深く理解することができるのだと思いました。
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愛媛県・40代・⼥性
過去の作品を読ませていただきました。それぞれの⽅の⼈⽣や⽣き⽅、思いが伝わり、⼼が温かくなりました。⾃分の⽣き⽅や⼈⽣を振り返り、今に感謝する良い機会になりました。
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埼⽟県・70代・⼥性
毎年楽しみにしておりますそして何度も繰り返し読ませていただいています。
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岡⼭県・40代・男性
毎回、読むたびに普通の⽣活が当たり前ではなく、有り難い事なんだと思います。
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